Books translated by Mari Takenouchi竹野内真理の翻訳本

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Books translated by Mari Takenouchi 竹野内真理の翻訳本
『人間と環境への低レベル放射能の脅威(The Petkau Effect/ Original German: Der Petkau-Effect Katastrophale Folgen niedriger Radioaktivitat)』
『原発閉鎖が子供を救う(Radioactive Baby Teeth: The Cancer Link)』
『低線量内部被曝の脅威ー原発周辺の健康破壊と疫学的立証の記録(The Enemy Within)』
『内部被曝』(扶桑社新書)ーあとがき執筆

2021年3月3日水曜日

心筋梗塞を患った梅田隆介さんのお話

 
以下は、梅田さんを支援する団体の方からいただいた情報です。

★ 金子 譲 さんから:
【Oneness TVアーカイブ:梅田隆亮さん提訴一周年記念企画
「すべての原発労働者の救済をめざして」(2013/3/30)
元原発労働者、梅田隆亮さんが労災認定を求めて提訴してから一年を記念して福
岡天神で開かれた集会。
http://t.co/5Cp7TAUhPB

梅田隆亮さん

1 はじめの挨拶

こんにちは,私は,梅田隆亮といいます。

本日は,大勢の方にお集まりいただき,大変感謝しております。
私は,昭和54年に,島根原発及び敦賀原発内で作業をしました。この原発作業が原因で,帰福直後には,「ブラブラ病」を発症し,平成12年には急性心筋梗塞で倒れ,生死の境を彷徨いました。


一命を取り留めた私は,平成20年9月18日,国に対し,療養補償給付支給を求め労災申請しましたが,不支給となり,この決定を不服として,平成23年2月19日に再審査請求をしましたが,認められませんでした。

そこで,昨年2月17日,福岡地方裁判所に対して,療養補償給付不支給の決定を取り消すための裁判を起こすことにしました。この裁判にかける思いについて,私は,第1回口頭弁論期日で意見陳述というかたちで述べさせていただいたのですが,本日はその意見陳述を踏まえて,私の思いをお話しさせていただきたいと思います。

2 経歴・原発内での作業について

私は,北九州市で生まれ育ち,北九州市内で配管業を自営で営み,新日鉄の下請けとして,鋼材の加工・組立工事や配管工事等をしてきました。
昭和54年当時は,いわゆる「鉄冷え」の影響で新日鉄の仕事が激減し,生活に不安を抱えていたところ,知人から松江で稼ぎの良い仕事があると聞き,知人の話に飛びつきまし た。この仕事というのが原発内での作業だったのです。


皆様は信じられないかもしれませんが,私は,松江で労働した場所が原発であることは,敦賀原発に行ったときに他の作業員から聞いて初めて気づきました。それは,島根原発では,放射性物質の危険性についての安全教育を受けたことが一切なかったからです。放射線管理手帳はそもそも支給されてもいません。アラームメータを持たされてはいましたが,警報が鳴った場合の指示すらなく,結局警報が鳴っても無視して作業を続けたような状態です。

敦賀原発でも,十分な安全教育を受けることはありませんでした。私は,炉心部近くで赤い作業服を着て,顔面をすっぽりと覆う全面防御スクを付けて作業しましたが,粉じんを吸わないためのマスクだとしか思っていませんでした。

原発施設内は,密閉状態でしたので,空気が淀んでおり,薄暗く感じました。
私が作業していた炉心部に近づくにつれて段々と熱気を帯び,汗がにじみ出てきました。炉心部は,室温が40度から50度あり,湿度も高く,蒸し風呂状態でしたので,中に入った瞬間,体中が火照った状態となり,体中から汗が滝のように大量に流れ出て,たちまち下着がずぶ濡れになりました。


全面防御マスクは付けているだけで酸素が薄くなり,息苦しかったのですが,さらに蒸し風呂状態の中でつけていたため,息苦しさが増し,すぐに意識が朦朧としてきました。その息苦しさは言葉では例えようがないほどつらく苦しいもので,1か月働いても全く慣れることはありませんでした。余計なことをすると体力が消耗するので,目の前にいる他の作業員に話しかけることもせず,ただこの場から早く立ち去りたい一心で作業ノルマをこなしていました。

しかし,体力に自信のあった私でもその息苦しさに長時間耐えることはできず,マスクを外して作業せざるを得ませんでした。持っていたアラームメータは炉心部に入ると,直ちに警報を発しましが,警報が鳴る度に作業を中断していては仕事にはなりません。そのため,線量の低い場所で待機している別の作業員にアラームメータを預けて作業することが暗黙の了解となっていました。

今にして思えば,放射線管理者の職員がいたはずですが,誰が放射線管理者なのかも私たちには分からず,アラームメータを預けても注意されることはありませんでした。そんな状況でしたから,保管されている被ばく放射線量のデータなどでたらめだと思います

これが,我々下請け原発労働者の実態です。下請け原発労働者の労働環境は劣悪きわまりないものです。

3 体調の変化及び労災申請の断念 今回の裁判を通じて思い出したのですが,私は,昭和54年2月5日に島根原発に行き,作業中に腹痛を起こし,9日には北九州市に戻ってきています。今にして思えば,これも被ばくしたことが原因だと思っています。

それから,昭和54年6月,敦賀原発での作業を終え,北九州市に戻ってきてすぐに腹痛,全身倦怠感,脱力感,吐き気,めまい,耳鳴り,鼻血といった症状が出たのです。特に吐き気がひどく,今まで経験したことのないものでした。1日のうち,3~4回程度,突然胃がむかつき出し,胃液がこみあげてくるといった症状が,2か月近くも続いたのです。長年の肉体労働で体を鍛えており,人一倍健康には自信があったので,あまりの体調の急変に戸惑い,いくつかの病院を受診しましたが,はっきりとした原因は結局わかりませんでした。

 その後,原発労働者の実態を書いた新聞記者の仲介で,長崎大学病院でホールボディーカウンター測定検査を受けたところ,放射性物質を被ばくしていることがわかりました。記者からは,帰宅途中,労災申請をするよう勧められ,私も労災申請を考えるようになったのです。

 ところが,どういう訳か,検査後から,突然見知らぬやくざ風の男が自宅を訪れるようになりました。労災の件と言って私に面会を求めてきたのです。私の留守中は妻が応対していたのですが,妻は怯えきっていました。また,見知らぬ男から電話でドスのきいた低い声で「労災申請など馬鹿なことは考えるな」,「お前には中学生の子どもがいるだろ」と暗に息子に危害を加えるかのようなことも言われました。それ以外にも無言電話が頻繁にかかってくるようになりました。得体の知れない者からの脅しに恐怖心が募っていきました。妻や息子に危害が加えられるかもしれないと思うと恐くなり,耐えきれずこのとき労災申請を断念しました。

4 労災申請断念後,急性心筋梗塞で倒れるまで
 労災申請断念後も吐き気や全身倦怠感,脱力感といった症状は続き,症状がひどいときは,医療機関で診察を受けたのですが,症状は改善しませんでした。
原発労働後,体調の異変により自分が責任を持って仕事をすることができなくなり,自営業を続けることは困難でした。そのため,体に負担の少ない土木工事アルバイトしかできず,しかも周囲の人からブラブラ病について理解されず,アルバイトも長続きしなかったために生活は徐々に困窮していきました。


思うように動かない自分の体に苛立つとともに周囲の人の無理解さに憤りを感じることもありました。また,私の収入だけでは生活ができませんでしたので,妻にはパートに出てもらい,義母の年金からの援助,義兄からの援助を受けて生活していました。このときは自分自身が本当に情けなく,とても辛かったです。

生活に困窮して北九州の家を失い,福岡市に転居して,福岡市内の会社に就職し何とか勤務していましたが,平成12年3月,急性心筋梗塞で倒れてしまいました。緊急手術を受け奇跡的に一命を取り留めましたが,もはや働けない体となり,生活はさらに困窮していき,その後はただ生きているという状態が続きました。

5 労災申請
 それから数年経ち,長崎大学に昭和54年にホールボディーカウンターで測定した私のデータの詳細が残っており,コバルト,マンガン,セシウムなど,通常であれば人体からは検出されるはずがない放射性核種が検出されていたことがわかりました。


外部被ばくだけでなく,内部被ばくもしていたことがわかった上,生活を何とか立て直そうと思い,平成20年9月18日,労災の申請をしましたが,不支給の決定で,審査請求,再審査請求もいずれも棄却されました。 私はすぐにでも労災給付を受けられると信じていましたが,私の主張は全く認められず,本当に絶望しました。

6 私の思い

  今回の裁判を起こすにあたっては,正直にいうと相当悩みました。
それは,また得体の知れない者から脅迫を受けるのではないかという恐怖があったからです。実際に,裁判を起こした後も嫌がらせの電話を受けました。
しかし,私は裁判を起こすことを決意しました。


まず,どうしても下請の原発労働者の過酷な労働実態を知ってもらい,原発労働により健康な体も財産もすべて失ってしまった私自身のつらさ・悲しみ・怒りについて,皆様にわかってもらいたいからです。

私は,原発に行くまでは,自分の収入だけで生計を立て,北九州市に自宅を建て,子どもにも恵まれ,人並みの幸せな生活を送っていました。しかし,原発労働によって何もかも失いました。原発労働のせいでそれまで築いてきた幸せな生活も健康で丈夫な体も失ってしまったのです。心筋梗塞後遺症等を患い,いつ起こるかもしれない狭心症の発作のために,薬を手放せない体になってしまいました。

原発労働,特に下請労働者の労働実態は,本当に過酷で劣悪極まりないものなのです。しかも,放射性物質の危険性など誰も教えてくれません。誰か1人でも放射性物質の危険性を教えてくれていれば,私は,こんな体にはなっていなかったはずです。それが悔しくて腹立たしいのです。

また,これ以上私のように辛く,苦しい思いを他の人にさせたくないという強い思いもこの裁判を起こす決意をした理由の1つです。

 福島原発事故の収束にあたっている下請の作業員にアラームメータなどの計測器を持たせずに作業させていたとの報道がありました。私が原発で働いていたときから30年以上が経過していますが,全く変わっていません。未だに,下請け原発労働者に過酷な労働に強いられ,その安全が全く守られていません。本当に腹立たしい限りです。

 日本に数多くの原発が存在する以上,多数の原発労働者が必要となり,そこで十分な安全対策がとられていない以上,これからも私と同じように多数の原発労働者に健康被害が出続けると思います。

私は,この裁判を起こすことにより,安全対策をないがしろにする国の姿勢に警鐘を鳴らすとともに,現に原発労働により健康被害を受けた方々の救済を図っていくための道筋をつけたいのです。

私は,先日の24日で満78歳となりました。もう高齢で体調も万全とはいえません。
昨年9月には,狭心症,陳旧姓心筋梗塞,慢性心不全などのために2週間ほど入院し,今年1月にも肺炎の症状で入院しました。


体調に不安はありますが,今後も頑張ってこの裁判を戦っていきたいと思っています。毎回私の裁判には多数の支援者が駆けつけ,法廷を埋め尽くしてくれています。

また,この裁判の弁護団は15名の弁護士の先生がなってくださっていますが,報酬ももらわず手弁当で一生懸命に弁護活動をやってくれています

支える会の共同代表である石村先生が「原発なくそう!九州玄海訴訟」の原告であったことから,その弁護団に所属する池永修弁護士に声を掛けてくれて,私の裁判の弁護団が結成されました。「原発なくそう!九州玄海訴訟」は,1万人の原告を集めて裁判を行うとともに,反原発運動を盛り上げていくことを目的としている裁判だと聞いています。

私も,原発労働者の健康被害をなくすためには,原発を廃炉にしなければならないと思い,「原発なくそう!九州玄海訴訟」の原告になりました。原発をなくすために皆様も是非原告になっていただけたらと思っています。

このように私には数多くの支援者がついています。本当に心強い限りです。
私は,支援者の方々のためにも負ける訳にはいきません。これからも支える会及び弁護団と力を合わせて精一杯頑張っていきますので,代わらぬ支援をよろしくお願いいたします。


また,もしこの会場に過去に原発で作業された方で病気を発症されている方がいらっしゃれば,是非勇気を出して名乗り出てください。信頼できる弁護士が必ずや力になってくれると思います。

長くなりましたが,これで私の話は終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。 以 上


*****************************

集会アピール

 本日,私たちは梅田隆亮さん提訴一周年企画として,「すべての原発労働者の
救済をめざして」に集まり,内部被ばくの危険性や被ばく労働の実態について学
びました。
 放射能による被ばくは,ごく微量でも癌などの健康障害を発症させ,その人の
人生だけでなく,その子どもの未来にまで暗い影を落としていきます。

 また,原発の定期点検という日常の作業ひとつをとっても,電力会社の正社員
は中央制御室にいて,現場は多くの下請労働者が担っており,原発1基の定期点
検だけで,実に3000名から4000名という膨大な人数の労働者による人
戦術によって支えられています。その中には,梅田さんのように,吐き気や原因
不明の鼻血,めまい等の急性放射線障害とみられる症状のために,長期間就労で
きない身体にさせられた被ばく労働者も数多くいると思われます。

 現に ,今も原発で働いている多くの労働者が非正規であり,また,一人親方
のような形態で働かされ,労災保険にも加入させられず,労災申請すらできない
状況にあると思われます。それは,これまで被ばく労働に従事してきた労働者が
数十万人もいる中で,被ばく労働に起因するとして労災が認められた数がわずか
十数名でしかないことに端的に表れています。

 私たちの暮らすこの社会は,こうした労働者の命と健康の犠牲の上に成り立っ
てきたといって過言ではありません。私たちが享受してきた電気のある生活,こ
の相当部分がこうした私たちと同じ働く方々の命や健康と引き換えに成り立って
きたことを考える時,私たちは,もはやこの問題を他人事としてではなく,自ら
の差し迫った課題として受け止めるべきではないでしょうか。

 私たちは,梅田さんのような被ばく労働者の悲劇を二度と繰り返してはならな
いこと,被ばく労働経験者の方々が今後,安心して暮らしていけるよう,労災申
請等の手続の支援をはじめ,私たちにできることをやっていくことを皆で確認し
合いました。
 私たちは,全ての原発労働者の救済を目指して,ここに集会アピールとして,
宣言します。
                     


2013年3月30日
梅田隆亮さん提訴一周年記念企画 全ての原発労働者の救済をめざして
                           参加者一同

2021年2月28日日曜日

元原発労働者斉藤征二さんのお話

元原発労働者斉藤征二さんのお話 

 http://www.bians.jp/bians_next/genpatu/2013news/hito/hito2013_11.htmlより 

ピープルズニュース 下請け被曝労働者の組合を!全日本運輸一般・元原子力発電所分会長 斉藤征二さん 3月10~11日にわたって、郡山で開催された「原発いらない地球(いのち)のつどい」。参加企画として、3月10日に行われた「原発労働者の労働運動─経験と課題」を取材した。原発下請労組「全日本運輸一般・原子力発電所分会」分会長・斎藤征二さんの講演と、講演後のインタビューを基に報告する。

 斉藤さんは、「どこにでも話をしに行く」とのことで、頭が下がる思いだ。 福島での事故収束作業では、「緊急事態」を口実に多くの労働者が、被曝労働を強いられている。住民も放射能に苦しめられている。放射能汚染に苦しむすべての人々と、被曝労働者の連帯を目指すために、かつての原発分会、分会長である斉藤さんの話しを聞き、新たな取り組みを構想したい、と主催者は語る。 まず、この日の斎藤征二さんの話を要約する。

 

 斎藤さんは玄海原発で、米企業であるウェスティングハウス(当時の国内原発はすべてアメリカ製)の社員が主導する言葉の通じない中での配管作業を経験した。以下は、斉藤さんの発言要旨だ。 (以下一部全文と写真説明は1442号を入手ください。購読申込・問合せはこちらまで) http://www.jimmin.com/mail/postmail.html 

 

ピンハネ・使い捨て―前近代的労働慣行が横行する原発 斉藤…配管からの汚染水の漏れは、日常的に起きている。それらの配管の穴をハンマーで叩き、漏れを防ぐ。その杜撰な作業に疑問を感じながらも作業を続けたが、それが電気事業法の違反であることが分かった。 私自身の作業箇所によってだ。

その直後、国、県等関係機関が立ち入り調査に入り、次々に違法工事が発覚し、5月から始まる定期検査が中止になり、その点検に呼ばれていた多くの作業員が一斉にクビとなったため、私は、原発下請け労働者の労働組合を作る決意をした。職場の中で組合運動を展開させることは、不可能。バレればクビになる。暴力団による妨害もあった。仲間とともに作業員の各家庭をまわり、作業員の家族を交えて説得し、1981年に、183名の組合員を集め、組織化することに成功した。 原発に於ける最末端の多くの下請け労働者には、労働契約が交わされていない。当時元請けに支払われた、 3・7~4万円の賃金が一次、二次、三次という多重構造によりピンハネ(中間搾取)され、末端では1日7000円足らずでの労働者も多くいる。

 

その最末端である彼らの作業には技術はまったく不要で、役割は一言で言えば「被曝すること」だ。 ウエスによる拭き取り作業などの単純作業だが、彼らこそが最大の被曝労働者であり、まさに放射能への特攻隊だ。原発内には無数の配管が張り巡らされており、無数のバルブが作業の困難な高所に集中し、そこから蒸気が漏れる。タンクに亀裂が生じたり、ポンプの故障も多発している。それらから撒き散らされる汚染水が、高温・多湿のため床にこびり付き、それを剥がし取る作業―それが、原発内作業の基本だ。「大きな地震に見舞われればどうなるか?」心配だったが、それが今、福島で、起きている。 

 

血を吐き倒れる原発ジプシー 労働者の本当の被曝状況を知っているのは、当局(日本全国全ての発電所)だ。労働者を検査しても、データを本人には教えない。東芝、日立、三菱等、原発メーカーも、ホール・ボディー・カウンターによる内部被曝検査の結果を知っている。それらのデータは色分けされ、「この労働者はもう助からない」などと彼らは評価している、と聞いてている。

 

今後、福島で起こるであろうことも、彼らは予測しているに違いない。1980年当時、年間50ミリSV、3ヶ月30ミリSVが作業基準であり、その数値ですら、かつて組合から引き下げを要求していたにもかかわらず、福島原発事故後、国は年間500ミリSVまで上げた。

 

 私自身、半年間の現場作業によって受けた被曝量は22・6ミリSVに過ぎないが、その後、緑内障で両眼を手術し、甲状腺に2ミリほどの血の塊ができ、摘出。そして心筋梗塞。脊髄、骨髄にも異常が起きるなど、身体を全部壊した。被曝と健康被害の因果関係は認められていない。だが、低レベル内部被曝(チリ、ホコリ等吸いこむ)による健康被害だと、私は確信している。

 

多くの労働者が、原発ジプシーとして全国の原発を転々とし、職場で血を吐き、倒れている。労働契約も交わされない作業員が倒れても、会社は関知しない。自己責任だ。彼らの多くは、「被曝者管理手帳」の存在さえ知らない労働者も多い。教えられてもいないからだ。病気になった時、初めて自分には何の保証もないことに気づく。突然死も多い。命を預けるマスクのフィルターには欠陥品が多く、線量を感知するアラームメーターにも故障が多い。つまり、運が悪ければとてつもない被曝を受ける。《低レベルでも被曝する》ということを立証し、認めさせることが重要だ。 

 

被曝を押しつけられる下層労働者 この国最大の危機を回避するために働く下請け労働者の多くが、命を削りつつ、組合はおろか労働契約も交わされないまま、被曝労働を強いられている。その収束・廃炉のために、今後100万人単位の労働者が必要とさえ言われる。事故収束後も、廃炉でさらに高線量の被曝作業が待ち受け、膨大な作業員を必要とする。廃炉作業に伴うリスクは、いったい誰が背負うのか? 

 

斎藤さん達の労組結成から2年後、1983年1月、石川県羽咋郡志賀町で行われた、地元の広域商工会主催による原発講演会で、当時の高木孝一敦賀市長は、莫大な交付金によるメリットを挙げた後、こう言い放った―「その代わりに、100年経って障がい児が生まれてくるか、わかりませんよ。けど、今の段階では、(敦賀原発を)おやりになった方がよいのではなかろうか。こういうふうに思っております」 ―敦賀原発は82年に着工され、87年に営業運転を開始した。

 

悪名高い、原発専門の最大手人材派遣会社=アトックスは、首都圏から何も知らない20代の若者を集め、福島にも送り込んでいる。彼らの主な作業は、ウエスによる見えない汚染物質の拭き取りだ。それが原発内作業の基本であり、被曝労働の実態だ。 行き場のない人、訳ありの人、差別される人々が、被曝労働に従事し、原発内でも差別を受け続けている。だが、彼らなしに原発を支えることはできない。そうした環境に労働運動を持ち込むことが極めて困難なことは、容易に想像がつく。

 反原発運動内でも、分断と対立がある。 仙台に住む僕達が「反原発」を叫ぶほどに、福島の人々は硬直してしまい、分断が深まっていく現実がある。だからこそ、反原発運動にはこれまでの労働運動とは違う運動が必要だ。被災地とも原発労働者とも繋がりを持つことの重要性だ。地域再生のためにも、地域や課題を越えて連携することが必要だ。 http://www.jimmin.com/htmldoc/144201.htm

2021年2月27日土曜日

Possible Nuclear Hydrogen Explosion Scenario Translated by Takenouchi in 1999

  

Dr. Mary Olson and Mari Takenouchi in 1999

Mary Olson

Nuclear Information & Resource Service, Washington, DC

Y2K Project Coordinator as of June 1999

Focus on USA reactors, Soviet design reactors in Russia and Eastern Europe and Y2K

 

The focus of her work has been radioactive waste policy and radiation and health education. Her degree is in biology and the history of science from Reed College in Portland, Oregon. She had a career in biomedical research that was cut short by an accident with radioactivity at her research lab at Yale University Medical School.

 

Olson has also worked with Native American leaders to prevent the dumping of radioactive waste on Indigenous People's lands, including the current proposal to send Japanese nuclear waste to Aboriginal lands in Australia, known as the Pangea Project.

 

ワシントンDC原子力情報資料サービス

Y2K(コンピュータ2000年問題)プロジェクトコーディネーターに19996月就任

米国、ロシア及び東ヨーロッパの原発とY2K問題担当

メアリー・オールソン女史の7月3日東京演説

 

メアリー・オースソンさんは1991年よりNIRSの一員として勤務しており、特に放射性廃棄物と健康被害についての専門家である。オレゴン州ポートランドのリード大学にて、生物学と科学史を専攻。その後、生物医学研究者としてイエール大学医学部のラボで勤務していたが、実験中に被曝。キャリアの中断を余儀なくされる。

 

現在、オールソンさんはNIRSの勤務の他に、アメリカ原住民のリーダーとともに、彼らの居住地への放射性物質廃棄、さらに日本向けウラン鉱さいをオーストラリア原住民居住区に投棄するPangeaプロジェクトの反対運動の活動をしている。

 

(The following are the contents of Ms.Olson’s lecture)

(以下、講演内容)

 

Thank you very much for this opportunity to be in Japan.  I came here for this event.

 

日本にお招き頂き、ありがとうございます。私はこのフォーラムの為に来日しました。

 

Nuclear Information and Resource Service is a non-government organization working for citizens of the United States.  Most of our members live in communities with nuclear power reactors.

 

原子力情報資料サービスは、米国市民のためのNGO団体です。メンバーの多くは、原発のある地域に住んでいます。

 

I hope my visit will make some small difference in the future of this land and the future of your children.

 

私の今回の来日が、この土地と子供たちの将来に少しでもお役に立つことができればと思っています。

 

Not all Y2K problems are equal.  Some consequences of Y2K computer or digital component failure would be worse than others.  We have limited time, money and resources till the end of this year.

 

2000年問題と一口に言っても様々なものがあります。2000年問題によって生じるコンピュータやデジタル部品の誤作動によって引き起こされる影響の度合いは大きいものから小さいものまであります。ただ、今年の年末まで、私たちには限られた時間と資金と方策しかありません。

 

We must set priorities.

 

そこで優先順位を付けなければなりません。

 

I’m going to read a report by Union of Concerned Scientists.  This organization is very concerned about Y2K and nuclear reactors.

 

ここで、「憂慮する科学者たち」の書いたレポートを読ませていただきます。この団体は、Y2Kと原発の問題に大変な危機感を持っています。

 

What happens if Y2K triggers a nuclear power plant accident?

 

Y2Kが原発事故を引き起こしたら、何が起こるでしょう?

 

According to the United States Sandia National Laboratory, in a report titled Calculation of Reactor Accident Consequences released on November 1, 1982 by U.S. House of Representative subcommittee, an oversight and investigation.  An accident of Calvert Cliff nuclear plant near Washington DC in Maryland while running could produce:

 

米国下院小委員会監修調査による、米国のサンディア国立研究所の原発事故影響度というレポート(1982111日)によれば、メリーランド州にあるワシントンDCに近いカルバートクリフという原子炉で操業中に事故が起きた場合、次のような被害が生じるといっています。

 

5600 death within the first year

23000 additional cancer death

90 billion dollar cost -- in 1982 estimate.

 

事故1年以内で5600人の死者

23000人の晩発性ガン死

900億ドルの損害(1982年当時の計算)

 

There are 433 operating reactors in the world, 52 here in Japan and 103 in the United States.

 

世界中には433基の原子炉があり、52基が日本に、103基が米国にあります。

 

Many people think that if we shut down reactors from generating electricity, they will be safe for Y2K.  But the Union of Concerned Scientists report goes on – “Can a nuclear power plants be safe by shutting down before the December 31?” 

 

多くの人は原発の電源を切ってしまえば、Y2K対策に万全であると考えています。しかし、憂慮する科学者の団体のレポートでは、次の問いかけが投げられています。「1231日の前に原発を止めれば、果たして安全になるのだろうか?」

 

According to the US Nuclear Regulatory Commission, in a report No. NUREG CR 6451, covering its safety assessment of permanently shut down nuclear power plants, released in August of 1997, an accident at a plant like Calvert Cliffs after its shut down for 3 and half years, could produce:

 

米国原子力規制委員会による19878月に出されたレポート番号NUREG CR 6451のレポートには、永久停止してから3年半足った原発の安全調査について書かれてあるのですが、先のカルバートクリフのような事故が発生した場合、次のような被害が出るとしています。

 

29 fatalities within one year

33,200 additional cancer deaths

286 square miles of condemned land

186 billion dollars cost (1997)

 

1年以内に29人の死亡者

33200人の晩発性ガン死

286キロスクエアマイル(732.16平方キロメートル)の土壌汚染

1860ドルの費用(1997年年当時の計算)

 

So whether these reactors are open or closed, they must be a top priority for this Y2K transition.

 

操業していようがなかろうが、コンピュータ2000年問題で最優先課題となるのは原発です。

 

Nuclear reactors are gamble anyway, it doesn’t take Y2K to have reactor accident.

 

原発というものはそもそもギャンブルのような危険性の高いもので、Y2Kの問題がなくとも、事故は起きるものです。

 

But Y2K will challenge every reactor, all 433 on the same day.  I am not suggesting that they will all have accidents, but it is possible at any one of them.

 

しかし、Y2Kは、433の全ての原子炉に同日に降りかかってくる問題です。 私は全ての原発で事故が起こるとは言っておりません。ただ、どこかの原発で起こる可能性があります。

 

And we know from the Chernobyl accident that the consequences are global.

 

我々はチェルノブイリの経験から、事故が起きたときの影響度は地球規模であることを知っています。

 

Nuclear power reactors have both computers and embedded components which we call them embedded chips.

 

原発にはコンピュータと埋め込みチップと呼ばれているものがあります。

 

At one reactor in US called Seabrook in New Hampshire, there are over 1000 Y2K problems discovered.  12 were considered safety related, and about 50 were considered critical to business.  But in the United States, all of our computers in our reactors are a second system and we also have a manual system.

米国ニューハンプシャー州のシーブルックという原発では、Y2K関連の問題が1000個以上も見つかりました。そのうちの12個は安全面での問題、50個はビジネスに支障が出るものでした。しかし、米国では、コンピュータシステムは全て2次的なシステムで、手動のシステムも付随しています。

 

The operators are more used to using the computers, but we still have dials and gages and switches that are all non-computer.

 

運転員はコンピュータの操作のほうが慣れていますが、それでもダイアル、メータ、スウィッチなどのコンピュータでない手動の機器もあるのです。

 

We are still concerned that these computers could cause difficulty and I’ll tell you more about that. 

 

さらに、これらのコンピュータが問題を起こす可能性もあります。これに関しては後ほどご説明致します。

 

Part of why I chose to make this long trip is because Japan is unique.

 

私がはるばる日本まできた理由のひとつは、日本が特異な国であるからです。

 

The more advanced reactor technology here means that there are no dials or gages or manual controls in your operating rooms at the reactors.  This is the only country in the world like this. So it is especially critical that Japan address Y2K problems at your 52 reactors.

 

日本では原発技術が進んでいる分、ダイアル、メータ、などの手動制御システムが操作室にないのです。世界の中でも、このような状況にあるのは日本くらいです。そういうわけで、日本が国内にある52基の原発の2000年問題を訴えることは大事なことなのです。

 

I want to briefly describe how a reactor works, so you understand some of the problems.

 

ここで皆さんのこの問題に対する理解が、さらに深まるように、原子炉がどう作動するか、短く説明させてください。

 

A reactor is a container for splitting atoms in order to make heat.  The reason we split atoms is to make heat.  And we use the heat to boil water and the steam turns turbines.  Heat is the goal but we also get other things from splitting atoms.

 

原子炉とは、熱を作るために原子を分裂させる容器のようなものです。原子を分裂させるのは熱を生みだす為です。熱が我々が求める最終的なゴールなのですが、原子を分裂させる間、核生成物質ができてしまいます。

 

We get neutrons which are small particles to keep the reaction going, and in the reactor, we keep the steady state of neutrons.  Otherwise it would be a nuclear bomb.  I call it a nuclear bomb with a clutch in, like a car in neutral.

 

核分裂を続けさせるためには、小さい粒子である中性子が必要で、さらにはこの中性子を安定状態に保つために中性子の数や振舞いを制御しなければなりません。さもなければ、原子炉は原子爆弾のようになってしまいます。原子炉とは、原爆にニュートラルに入っているクラッチを付けたようなもの、つまりニュートラル状態の車のようなものなのです。

 

The other things we get when we split atoms are elements that were not there before.  These are called fission products-they are million times more radioactive than uranium.  I am telling you this so that you can keep in mind that the main products of a reactor are heat and radioactivity. 

 

さらには、原子を分裂させるときには、そもそもなかった物質も生成されます。このような物質を核分裂生成物と呼び、これは天然ウランよりも100万倍も放射能が強いのです。このように、原子炉の生成物とは主に熱と放射性物質であることを、皆様に覚えておいて頂きたいと思います。

 

So when we are considering nuclear reactors and Y2K, we should have clear criteria for what Y2K ready or what Y2K compliance is.

 

そういうわけで、原発とY2Kの問題に対処するには、はっきりした対策と安全基準が設定されていなければなりません。

 

Unfortunately in the United States, we do not have this.  We also have no requirements for testing of the systems.  And our utilities are only self-reporting with no third party validation.

 

残念ながら米国では、これがないのです。そして、システムをテスト検査する義務もないのです。さらに、電力会社は第3者による検証なしで社内からの報告しかしていないのです。

 

And instead of making tighter rules, the US Nuclear Regulatory Commission is going to wave license requirements. 

 

現在米国原子力規制委員会では、規制を設ける代わりに、通常のライセンスがなくても原発を稼動させることができる例外条項さえ作ろうとしています。

 

So when I go home (to the States), I have a big job as a nuclear "watch dog".

 

私が米国に帰ったら、原子力の見張りをする番犬としての役目があります。

 

But you have a big job also because you only have computer controls.

 

日本の皆様にも大きな役割があります。日本の原発はコンピュータでまかなわれる部分が多いのですから。 

 

There are 3 kind of concerns about the computer failures and reactors.

 

ところでコンピュータの誤作動と原発には、3つのタイプがあります。

 

The first would be direct failure where a computer failure would cause an accident directly.  I do not know about Japan, but in the United States, they say it is unlikely. 

 

一つ目は、コンピュータの誤作動が直接事故を引き起こすという直接的な被害です。日本の事情はあまり良くわかりませんが、米国では恐らくこのようなことは起きないだろうといわれています。

 

And I want to add a comment here that this is not a good time to start a new experiment.  And I’ve just learned that there is a Japanese reactor that will try mixed plutonium fuel for the first time in November.  So here we are adding a whole new situation on top of great uncertainty. 

 

それと日本に関してひとつコメントを付け加えたいのですが、今は新しい実験を始めるには良い時期ではないと思います。11月に日本ではプルトニウムを混ぜた燃料を使い始めるという話を聞きました。そういうわけで、私たちは今でも安全が不確かな現状に、さらに新しい危険を付加しようとしています。

 

I think it would be wise for that the utility to postpone until 2000 spring time or summer if it were OK. 

In addition, the U.S. Department of Energy has recently published a report that plutonium fuel would cause more cancer deaths in the case of a major reactor accident than uranium fuel. So this plutonium fuel increases the risk of Y2K and also the consequences of a problem.

 

私が考えるに、この新しいシステムは安全であるという確認が取れてから導入すべきで、2000年の春か夏まで延ばされるべきだと思います。さらに加えさせていただけば、米国エネルギー省では、プルトニウム燃料はウラン燃料を使ったときに比べ、大きな事故があった場合、ガン死亡者の数が増えるという報告があります。プルトニウム燃料を使うと、Y2Kによる事故の危険も、事故が起きたときの影響度も高くなります。

 

The second concern is indirect failure where computer malfunctions and through secondary causes make an accident.  I have 2 examples here.  In the United States, we have a computer for the security systems.  It operates many things including electronic doors.  If this computer malfunctions, perhaps the doors would be locked and the workers could not move through the site.  This happened in the United States in Virginia at a reactor called Surry where a shorted fire sprinkler system caused the computer to malfunction and doors locked.  4 workers were trapped with a steam explosion and died.

 

2つ目の心配は、コンピュータの誤作動で、2次的原因により事故が発生するという間接的な被害です。2つの例をあげてみたいと思います。米国では、安全システムの為にコンピュータがあります。コンピュータはいろいろなところで使われていますが、その例のひとつとして自動ドアがあります。もし、このドアの機能が誤作動を起こし、ロックされてしまえば、作業員はその現場から動けなくなってしまいます。これは実際に米国バージニア州のサリーと言う名前の原発で実際起こったことなのです。スプリンクラーシステムがショートしてしまい、コンピュータが誤作動を起こし、ドアがロックされてしまいました。それから4人の作業員が水蒸気爆発に巻き込まれ死亡しました。

 

Y2K did not cause that accident.  But this is a situation that might occur this new year.

 

Y2Kでこの問題が起こったわけではありませんが、このような状況が来年の新年に起こる可能性があります。

 

One possibility is to prop all the doors open with heavy objects.  Y2K invites us to be creative.

 

このような事態を防ぐには、ドアがロックされないように、硬くて重いものを置くのも手だと思います。Y2Kの問題は私たちの想像力をたくましくしてくれるようです。

 

The second possibility is faulty or incorrect data.  In this situation, the action of a reactor operator might cause the accident by accident.  Sort of like when people lie to each other, how can you know if computers giving you bad data. 

 

2番目の可能性としては、間違ったデータによる被害があげられます。この状況では、原子炉の運転員は間違ったデータによって事故を起こしてしまうことがあるのです。これは、ちょうど人が嘘を言い合っている状況に似ています。コンピュータが嘘をついても、それが嘘であると見極めることは難しいでしょう。

 

A big example of this we have already seen is Three Mile Island.  This is the reactor that melted down in Pennsylvania 20 years ago. 

 

私たちが知っている顕著な例が、スリーマイル島での事故です。ペンシルバニア州で20年前に原子炉のメルトダウン事故が起きました。

 

It was only a small incident that night.  But the reactor workers looked at a faulty incorrect data and they did not go look at the gage, the meter that could have told them the correct information.  And what was happening, water was draining out of the reactor with the splitting of atoms going on.  The operators did not understand this and they turned off the emergency cooling system. 

 

事故の夜、ちょっとしたトラブルが起きました。しかし、原子炉の運転員はコンピュータの間違ったデータを読み取り、正しいデータを示すメータを確かめなかったのです。そして、核分裂が起きている間、原子炉からは水が漏れ出していました。運転員はこのことに気づかなかったため、緊急炉心冷却装置(バックアップ機能)を停止させてしまいました。

 

And remember I’ve told you, reactors make heat.  So when the fuel lost the water, in 2 hours later it began to melt.  So this is a very important lesson for Y2K.  It was bad data and reactor operator action together that took an incident, a little event, and made it a huge accident. 

 

覚えてらっしゃるかと思いますが、原子炉は熱を生み出すのです。そういうわけで、原子炉が水をなくすと、2時間以内にメルトダウンが始まります。スリーマイルでの事故は非常に重要な教訓です。間違ったデータに基づいた運転員の間違った行動で、小さなトラブルから大きな事故へと繋がってしまったのです。

 

So we should not underestimate this situation with Y2K

 

そういうわけで、Y2Kのこのような状況を軽視してはいけません。

 

And this brings us perhaps the biggest concern I have for Y2K and reactors. 

 

そして、次の3つ目のことは、私がY2Kと原発の問題に関して最も懸念していることです。

 

Most people do not understand reactors require electricity.  They make electricity but they cannot power themselves.  To keep a reactor cool, the pumps must run.  To keep a reactor cool, the pumps must run all day, everyday.   These pumps use electricity from the power lines from off site.

 

大概の人は、原子炉が電気を必要としていることを知りません。原子炉は電気を生み出すことはできますが、電気を供給することはできないのです。冷却装置を冷やしつづけるには、ポンプが動いてなければなりません。このポンプは24時間常に動いてなければならないものです。そしてこのポンプは外部からの電力を使っているのです。

 

If something causes the power to go out, there are diesel generators.  Unfortunately, these are not very reliable.  The US Nuclear Regulatory Commission says that they are 95 % reliable in the United States. 

 

もしも何らかの原因で停電が起きた場合、バックアップ電源としてディーゼル発電機があります。ただ残念なことに、ディーゼル発電機は信頼度があまり高くないのです。米国原子力規制委員会は、米国のディーゼル発電機の信頼度は95%であると発表しています。

 

We have about 200 diesel generators on reactors in our country.  95 % means that on any day, 10 will not work.

 

アメリカには200ものディーゼル発電機があります。95%ということは、このうちの10個がいつでも正常に作動しなくなることを意味します。

 

And our research shows that this reliability is even lower.    

 

そして、NIRSの調査では、この信頼度はさらに低い数値が出ています。

 

Just in the last year, 2 reactors lost outside power and diesel generators.  This is called "station black out."

 

去年1年だけでも、世界で2つの原子炉が外部電力及びディーゼル発電の両方を同時になくしてしまいました。このような状態をステーションブラックアウトと呼びます。

 

And there is only 2 hours before the atomic fuel begins to melt.

 

そして、燃料が溶け出すまでにはほんの2時間しかないのです。

 

Thankfully, these 2 reactors one in the US, one in Scotland, had power restored in time.  The situation in Scotland was very severe since the reactors came within about 20 minutes of melt-down, Ambulances and fire trucks were headed to the site and the alarms were going off before the back-up power was restored. We were very lucky.

 

幸いなことに、ひとつはアメリカ、ひとつはスコットランドにあったこれら2つの原子炉は、電源を時間内に回復することができました。ただし、スコットランドのほうはかなり深刻で、原子炉は後20分でメルトダウンという事態にまでなり、救急車や消防車が現場に出動、電源が回復するまで警告ベルが鳴り続きました。不幸中の幸いでした。

 

We must invest in better insurance than this for January 1, because one of the most talked about potential Y2K failures is loss of electricity.  This is very important. 

 

1月1日には、これよりも手段を講じなければなりません。というのも、Y2Kで一番騒がれている問題のひとつが停電であるからです。これは、絶対に留意しておかねばならないことです。

 

We are calling for additional electrical power at each site to back up the diesel generators.  Ideally, this would be renewable source of energy that doesn’t depend on fuel such as hydroelectric, geo-thermal, wind, solar and so on.

 

そういうわけで、私たちはディーゼル発電機をさらにバックアップするために各原発に別の発電機を設置することを呼びかけています。本来であれば、燃料に頼らない、水力、地熱、風力、太陽などの再生可能なエネルギーが理想です。

 

This is not to replace the power that a reactor makes, but this is just to run the pumps.  And because people who run nuclear reactors do not like renewable energy, we are also suggesting natural gas turbines and fuel cells since these are both more reliable and fuel efficient.  

 

これは、原子炉にとって代わる電力を設けようといっているのではなくて、ただポンプを回すだけの電力の話です。ただ、原子力産業で働く人たちは、再生可能エネルギーが余り好きではないので、我々はより信頼できてかつ燃料効率の良い天然ガスや燃料電池も推奨しています。

 

This is something that can be done.  We have the time, so we should do it.  Part of why we only have diesel generators is the assumption that loss of power would be short.  But we don’t know how long a power outage caused by Y2K would last.  So we are also calling for 60 days of diesel fuel at each reactor site.  This may sound like a long time, but the White House suggests that local governors and mayors plan for 3 weeks without power. 

 

不可能なことではありません。我々にはまだ時間が残されているのですから、やるべきです。現行でディーゼル発電機が使われているのは、停電時間というものは短いという想定に立っているからです。しかし、Y2Kによって、停電がどのくらい長引くかはわかりません。そういうわけで、ディーゼル燃料も60日間分の備蓄を用意しておくように要請しています。60日というと長く聞こえるかもしれませんが、ホワイトハウスでは州知事や市長などには、3週間の停電を想定した計画をするように言っています。

 

In the worst-case scenario of extended disruption from Y2K, reactor sites require 5 years of back-up power for cooling. Currently US and Japanese reactors have only 1 week of diesel fuel for the generators.

 

Y2Kで問題が長引いたときの最悪のケースを考えると、原子炉は冷却装置を回すのに5年間ものバックアップ電源を必要とするのです。現在、アメリカと日本では、発電機に一週間分の燃料しかありません。

 

And one more item on this topic, in the United States, at each reactor site, the used fuel is in a pool.  It’s all of the fuel from the time the reactor was turned on.  There is also a tremendous amount of heat in this pool. 

 

そして、この話に関連することをもうひとつ付け加えさせていただきますと、アメリカでは各原子炉に、使用済み燃料がプールに入って保管されています。そこには、原子炉が稼動され始めてから全ての使用済み燃料が入っているのです。このプールには、さらにものすごい量の熱があります。

 

In the US, these pools are not hooked up to the diesel generators.  There is no back up power.  This is because they assume that the power will only be off for one day or less. 

 

アメリカでは、これらのプールにはディーゼル発電機がついていません。そして、バックアップ電源もないのです。これは停電があったとしても1日以上にはならないだろうと言う想定に基づいています。

 

There is so much heat that these pools can actually boil, especially when the reactor has recently been refueled and so intense heat is transferred from the reactor core to the pool.  Under this situation the pool might boil in about 24 hours. The pool is like an open pot and the coolant can boil away quickly.

 

大量の熱があるので、これらの使用済みプールは沸騰することさえあります。特に原子炉の燃料交換が行われたときは、使用済み燃料の熱が炉心からプールに移るため大量の熱が移行します。このような状況下では、プールは24時間以内に沸騰する可能性があります。プールというのはふたのないやかんのようなもので、冷却水はすぐに蒸発してしまいます。

 

So it’s very important to find out about cooling Japanese fuel pools.

 

日本の使用済み燃料プールの冷却がどういう仕組みになっているかを知ることも大切です。

 

The reason that the number of cancer from a closed reactor is higher, almost 50 % more than open reactor is because pool can also melt.  And there is more fuel there and there is no containment. 

 

停止した原子炉事故で発生するガン死の数が稼動中のものよりも5割も多いのは、使用済み燃料プールは融けてしまう可能性もあるからです。そして、そこにはプールには炉心より多くの燃料があり、格納容器もないのです。

 

So, to summarize, we must have criteria what Y2K ready means.

 

まとめにはいらせてもらいますと、私たちにはまず、Y2K対策の安全基準が必要です。

 

It must be very high class.

 

勿論、これは非常に高いレベルのものでなければなりません。

 

We must cut no corners.

 

妥協は許されません。

 

We must see that every reactor system tested.  If it cannot meet the criteria, it must be fixed. 

 

すべての原子炉のシステムが検査されなければなりません。そして、安全基準に達していないものは、修理されなければなりません。

 

And it’s very important to understand that turning off reactors will not solve that problem.  It will only delay it.  The day you turn it on, you can expect the same problem.

 

そして、原子炉を止めるだけでは問題解決にならないことも覚えておいてください。解決になるのではなく、ただ遅らせるだけなのです。原発を再稼動させた時点で、また問題が発生する可能性が出てきてしまうのです。

 

So there must also be validation from the third party. 

 

原発の検査には第3者機関の検証が必要です。

 

And I personally think that the reactor should be off-line that weekend of December 31. 

 

また、私の意見では原子炉は2000年の年末年始の週は停止しなければいけないと思います。

 

This does not solve our problems, but it allows us a simpler situation.  Workers can be focused on keeping the cooling systems running and watching for any problems that are occurring from computer failure. 

 

繰り返し言いますが、停止することは問題を解決するのではなく、問題を簡略化するだけです。働いている人たちはこれにより、冷却装置が回っていることとコンピュータの誤作動で何か問題が発生しないかに専念することができます。

 

So we also needs special training for a nuclear workers to be ready to think creatively. 

 

原子力施設の労働者も想像力を働かせて対処できるよう、トレーニングを受ける必要があります。

 

And I think most of all, we need backup power in addition to diesel generators.  Because the heat of the reactor is there for the next 5 years.

 

そして何よりも、ディーゼル発電機の他に新たなバックアップ電源が必要です。といいますのも、原子炉の熱というものは稼動されたが最後、5年間なくならないものだからです。

 

Even if we close the reactor today, permanently, we must cool the atomic fuel for 5 years.  The heat drops in the first year a lot.

 

もし、今日原子炉を永久停止したとしても、燃料は5年間冷やしつづけなければなりません。まあ、初めの1年でこの熱というものは著しく落ちるものではありますが。

 

But even we turn a Japanese reactor off today, there will only be 12 hours before the fuel would melt.  That’s in the situation of a station black out. 

 

日本の原発を今日止めたとしても、燃料が融けるまで12時間しかありません。これはステーションブラックアウトが起こったことを想定しての話です。

 

So a little benefits, but if we have a long outage, 12 hours is still not enough.  So we need to insure that we have back up power.

 

12時間あるということですが、もし停電が長引けば、12時間は長いものではありません。ですから、バックアップ電源の確保が必要です。

 

And this may sound like a lot of money, but I want to remind you that the estimates of a reactor accident are 90-200 billion dollars costs. 

 

そして、これらのことをするには、非常にお金のかかることのように思われるかもしれませんが、先ほど言った事故が起こったときの損害額を思い出して欲しいと思います。原発一基で900億から2000億です。

 

So prevention is really very cheap.  Especially since it’s not really the money, it’s all the lives that would be lost and the permanent sacrifice of the land and water.

 

予防にかかるお金は安くて済むのです。そして、この問題はお金ではなくて、全ての命と、永久的な土地と水の犠牲がかかった問題なのです。

 

I saw the nuclear industries are advertising in the papers.  They do that in the United States, too.  Maybe these advertising budgets could pay for the back up power.

 

日本で、原発産業が新聞で広告を出しているのを見ました。アメリカでもやっています。このような広告費は、バックアップ電源に廻せるのではないかと思います。

 

It is human ingenuity that made computers and reactors.  So it is our mind that made this problem.  And I believe that our minds can solve it, but I think it takes our heart as well.  It is our ancient wisdom that Earth is our Mother.  But the photographs from outer space from the Apollo program showed us that it is also our child.  So we must all work together internationally, because we share this problem and this opportunity to see how interconnected we are, and to share the joy of the next century together. 

 

コンピュータも原発も人間の才知によって生み出されました。この問題を作ったのは私たちの知性です。ですから、私たちの知性がこの問題を解決できるとは思いますが、私はこの問題に取り組むにはこころも必要ではないかと思うのです。地球が私たちの母であることは古代から伝わる知恵です。しかし、宇宙からアポロが写した映像を見たとき、地球が母であると同時に私たちが守ってあげなければならない子供のような存在でもあるのだと気づきました。私たちはみんなで国境を超えて協力しなければなりません。私たちはこの問題、同時に機会とも言える状況の中で、世界中ががいかにお互い繋がり合っているかを知り、21世紀を共に迎える喜びを共有するチャンスを与えられているのです。