Books translated by Mari Takenouchi竹野内真理の翻訳本

Books translated by Mari Takenouchi 竹野内真理の翻訳本
『人間と環境への低レベル放射能の脅威(The Petkau Effect/ Original German: Der Petkau-Effect Katastrophale Folgen niedriger Radioaktivitat)』
『原発閉鎖が子供を救う(Radioactive Baby Teeth: The Cancer Link)』
『低線量内部被曝の脅威ー原発周辺の健康破壊と疫学的立証の記録(The Enemy Within)』
『内部被曝』(扶桑社新書)ーあとがき執筆

2013年5月16日木曜日

バンダジェフスキーの新刊本:セシウムの生殖系への影響


放射性セシウムが生殖系に与える医学的社会学的影響

チェルノブイリ原発事故その人口損失の現実(2011年)

 

ユーリ・I・バンダジェフスキー/NF・ドウボバヤ著

久保田護訳(20134月)

皆さん、ぜひ読んで!特にこれから子供を産む人!
それと医師の方々、特に産婦人科の方は皆、読むべきだと思っています!

 
 
 
以下要約版 竹野内真理 (まだ途中)



 

 

ベラルーシ共和国ではここ最近10年間、この問題の適切な解決がみつかってない。出生率が急速に下がり、子供の死亡率と有病率が上がり、異常や先天性奇形を持つ子供も増えている。

 

1960年には、ベラルーシの人口増加率は17.8パーミル、ところが核実験で1963年にCsの降下量が多くなると、1965年以降は5.9パーミルに下がり、チェルノブイリ事故後1993年以降は、とうとう死亡率が出生率を上回り、99年にマイナス4.92005年にマイナス5.5となった。

 

94年から2008年にかけてベラルーシの人口は607400人も減少。特に15歳以下の子供の減少は特筆に値し、20002009年には29万人も減少。

 

20002008年にベラルーシでの先天性奇形や発育異常のある新生児の数は10万につき、359.5から558.7に増加。さらに生殖能力が失われていて子供ができないケースがはるかに増加。

 

ただし、登録された奇形は氷山の一角に過ぎない。発育の大事な時期に、セシウムその他の放射性物質に絶えずさらされていれば、成人後、必然的に体の不調に悩まされる。

 

ベラルーシ議員と原子力ロビーは、傑出した遺伝学者であり、奇形学者でもあるG.I.ラジューク教授の先天性・遺伝性疾患研究所を閉鎖した。

 

IAEAWHOを長年にわたって、1959年の協定により、牛耳ってきた。

 

突発性の心停止による成人死亡例も、出生前後の発育過程で心臓の構成要素の形成が阻害されることが真の病因であるケースもある。その証拠に子供の心電図異常がみられること、異常とセシウム濃度の間に相関があることが確認されている。

 

ただし、子供の心電図異常をもたらす病変は子供が死亡する直接の病因とはならないが、この異常はほかの病気の経過に悪影響を与えることあり。一例としてウィルス性の感染症で死亡した、セシウムも心筋に混入していた乳児のケースあり。

 

被曝の影響で心血管系の異常と免疫系の異常が誘導され、病気になることがあるが、このことが考慮されることはない。

 

女性の体内でセシウム137が40Bq/kgを超えると、性ホルモン産出の逆転が起き、月経周期も異常になる。これらの異常は生殖器の病気の原因のみならず、不妊症の原因になる。女性ホルモン産生異常があれば、子宮粘膜と女性生殖器官の準備態勢を整えることができないからだ。

 

体内セシウムが50Bq/kgを超えると、ホルモン異常は顕著になり、6人にひとりに排卵がみられなかった。セシウムの影響で月経周期の黄体期不全と無排卵症が起きる。この無排卵症と黄体機能不全により、不妊症となるが、汚染地域で出生率が下がっている主な原因の一つは不妊症である。

 

ヨウ素131とセシウム137が大量に取り込まれると、2つの放射性物質の影響が重なり合って、卵子の形成が抑制されることが多くの研究から明らかになっている。

 

若い女性に放射性セシウムが取り込まれると、ホルモン産生の恒常性が障害され、低プロゲステロン血症、高エストロゲン血症、高テストステロン血症を背景として起きてくる。

 

15~40Ci/km2の環境で暮らしている少女たちの生殖器官の発育は遅れ、37%で第二次性徴の発言が遅れ、81%の少女に月経周期の異常、脳下垂体性腺刺激ホルモンの分泌異常が39%、31。5%にステロイドホルモンの産生障害がみられ、他にも内分泌機能の低下と生殖機能の調節障害も示された。

 

男性生殖器(内部被ばくについての医学的情報はほとんどない)

 

150mSv で一過性の無精子症になる可能性あり。

 

増殖中の精原細胞は、電離放射線の照射に極めて傷つけられやすい。

 

男性機能と精子の形成は、複数のホルモンによって調整されており、受精能力は主にこれらホルモンの産生と関連。(下垂体性濾胞刺激ホルモンFSHは精子分泌上皮に作用、ライディッヒ細胞のテストステロン分泌は抗体形成ホルモンLHによって刺激を受け、睾丸の内分泌部は、これら性腺刺激ホルモンによって制御される。)テストステロンは精子幹細胞に直接作用し、状態を変化させ、FSHは精原細胞の有糸分裂を促進、精子形成の完成も促進。

 

性ホルモンの産生は、外部被ばくと内部被ばくの影響で減少することが示されている。

 

動物実験でセシウム137を摂取したオスの生殖器官形成に悪影響がみられ、テストステロンの産生と精子の形成が障害された。

 

セシウム137は生殖細胞を直接的に障害し、生殖細胞の構造や機能を変化させる。また生殖細胞のゲノム構造も変化させる。

 

RI.ゴンチャロワとN.I.リャボコニの研究では、セシウムを与えたマウスに生殖細胞と骨髄細胞の染色体とゲノム突然変異増加がみられた。

 

同様の研究が住民を対象にして!チェルノブイリ事故後に行われたが、メンデルの遺伝法則に従う遺伝性の病気や多因子性の先天性奇形の発生頻度に、体内に取り込まれたセシウムの影響が現れたと言うことはできなかった。(なぜだろう?)

 

ただし、ゴメリで7~8年住んだあと、ミンスクに移住した子供たちの末梢血リンパ球では、二動原体染色体と環状染色体の形態をとる染色体異常の頻度が高かったことが確認されている。これらの染色体異常は、放射線被曝によって起きる不安定型染色体異常の指標として知られる。

 

チェルノブイリの非常事態が収束した後、発育奇形の数がベラルーシ全土で急激に増えた。多発性発育奇形、手足の縮小奇形、多指症の頻度の増大が大きく寄与。新規の優勢突然変異が大きく関与。

 

土壌汚染が15Ci/km2の郡では、1997年~1998年に生まれた子供たちの奇形発生率が対照群より高いことが示された。

 

同じ餌を与えても、メスのほうがオスよりも体内セシウム濃度は低くなるが、妊娠は別である。

 

哺乳類でも人でも、放射性セシウムの大部分は胎盤に吸収され、胎児の体内にはほとんど取り込まれないが、妊娠中の病気や胎児の発育によっては、胎児の臓器で放射性セシウム濃度が非常に高くなることがある。

 

放射性セシウムは、授乳期間中、母乳を介して母親から子の体内に入り込み、子のセシウム濃度が上昇し、母体のセシウム濃度は低下する。

 

子宮内で発育期にセシウム137の影響を受けたラットは、自分でえさを取るようになると、えさの中の放射性セシウムをより多く体内に取り込むようになる。さらなる研究が必要だが、子の出生後の生存に子宮内での発育期がほかにないほどの重要性を持っていることを示唆する。

 

チェルノブイリ事故後に、先天性発育障害がゴメリだけでなく、ベラルーシ全体で増えたとする科学的報告はあるが、セシウムは全く考慮されなかった。

 

妊娠1525週で医療上の必要性で中絶した胎児と胎盤のセシウム濃度は、胎盤が61.5Bq/kg前後、胎児が25.4前後だった。

 

中枢神経系の先天障害のある胎児では、胎盤のセシウム濃度は85.4Bq前後だった。中枢神経系の先天性奇形は、特に無脳症とのう胞性二分脊椎が多くみられた。

 

妊娠中ゴメリに住み、分娩当日死亡した子供では、内臓にセシウムが多く蓄積。心臓、腎臓、肝臓、甲状腺の実質細胞に顕著な変性と変性壊死があることが組織学的検査で指摘。

 

セシウムが妊娠中の母体に入ったラットの子供の臓器における病的変化:心臓→繊維間浮腫、心筋細胞瀰漫性壊死および変性、肝臓→幹細胞のタンパク変性、ディッセ腔の拡大、肝小葉中心部の充血、腎臓→糸球体の破壊、輸入細動脈の攣縮、尿細管上皮の変性

 

セシウムが妊娠中の母体に入ったラットでは、胚子と胎児の発育過程が著しく障害され、子宮粘膜への着床段階での胚子の死亡(流産)として現れる。またラット胎児の骨組織には、大部分の骨格筋の骨か標識部位の低形成という形態をとる病理変化が起こる。またラット胎児の臓器の細胞には、変性と変性壊死が起きる。

 

妊娠中のシリアンハムスターにセシウムが取り込まれると、多因性の先天性奇形が出現する。これは遺伝的な血管と環境要因の影響が重なって発症すると信じられている。

 

欠陥ゲノムを持っていても、形質発現しない場合があるが、放射性セシウムが少量でも体内に取り込まれると、欠陥ゲノムが形質発現しやすくなる。

 

セシウムの影響で細胞がエネルギー不足に陥り、母親―胎児系に代謝障害が起き、多因性の先天性奇形が発症すると考えられる。

 

胎盤の構成成分が損傷されると、胎盤の内分泌機能と免疫調節機能が障害され、これが胎児の奇形形成に大きな役割を演じている可能性あり。

 

先天性奇形の胎児では、放射性セシウム濃度が著しく高いが、これは胎盤の障壁機能の低下を意味している可能性がある。

 

妊娠した女性にセシウムが取り込まれると、胎児で大きなホルモン分泌の変化が起こる。

 

放射性セシウム濃度が胎盤で高くなると、胎児男女とも、臍帯血エストラジオール濃度が著しく低下、臍帯血テストステロン濃度は顕著に高くなった。

 

胎盤の放射性セシウム濃度が高くなると、母親の血中甲状腺ホルモン濃度が明らかに高くなった。

 

胎盤の放射性セシウム濃度が高くなると、母親の血中甲状腺ホルモン濃度及び血中コルチゾール濃度が明らかに高くなったが、胎児の臍帯血中のコルチゾール濃度は低下した。

 

母親―胎児系にセシウム137が入ると、なによりもまず、発育中の胎児に顕著なホルモン濃度の変化が起き、副腎皮質にセシウムが強く取り込まれることが注目される。

 

セシウム137が取り込まれると、ミトコンドリアの酵素系に機能障害が起きる。

 

セシウムが副腎皮質のホルモン産出細胞に悪影響を与えるため、男性ホルモンのテストステロンの産出が増加し、女性ホルモンのエストラジオールが減少するとも考えられる。副腎皮質の主要なホルモンであるコルチゾールの整合性が障害されるからという仮説である。この状況が、下垂体性副腎皮質刺激ホルモンの産出増加に拍車をかけ、副腎皮質の細胞を刺激してテストステロンの過剰産生を招く。そして副腎皮質の先天性機能不全の状況が起きる。これは以後の子供の発育過程に間違いなく悪影響を及ぼすだろう。

 

セシウム137が母体に及ぼす影響

 

l  性機能の調節も含む内分泌異常

l  生殖器の筋組織と血管壁のトーヌス(緊張度)の変化

l  子宮やほかのすべての臓器への血液供給が障害され、臓器の機能障害

l  母親および胎児の間の神経調節連関の異常

l  母親の免疫機能が下がることで、子宮内感染症の特徴を有するウィルス感染症と細菌感染症が母親―胎児系に起きやすくなる。先天性奇形や先天性免疫不全が起きることもある。

l  腎臓の病変により、体外へ放射性セシウムや毒素を出すのが遅れ、胎児の発育異常が起こりやすくなる。

l  セシウムが著しい量取り込まれると、赤血球数が減少する。そして子宮内で胎児や新生児に低酸素症が起きる。

l  母親と胎児の代謝で重要な役割を果たしている肝臓の多くの機能が阻害。まずは肝臓の合成機能に阻害。毒物、神経伝達物質、ホルモンなど、体にとって異物である環境因子を中和する能力も阻害。タンパク、脂肪、炭水化物、ミネラルの代謝調節も阻害。幹細胞の損傷、脂肪変性、タンパク変性が母親―胎児系の代謝異常を招く。

l  子宮・卵管の病変と、結果起きる胎児の発育障害。

l  胎盤にセシウムが取り込まれると、胎盤の細動脈や毛細血管といった血管網や栄養膜芽層細胞と相互作用するようになり、血液循環障害、ホルモン産出変化、内分泌系変化が起こる。

 

胎盤は、セシウムが胎児に組織に入り込むことを制限するが、様々なことが原因となり、胎盤の障壁作用が低下すると、胎児の組織に入り、傷つけ、先天性奇形を引き起こす。

 

セシウム137は細胞のエネルギー産生能力を劇的に弱めてしまい、代謝の全過程を障害し、とくにタンパク分子の生合成を阻害する。そのため、セシウム137が奇形の発生に関与している可能性が十分に考えられる。

 

シリアンハムスターの実験で、中枢神経系や頭蓋骨の顔面部分、心臓の奇形などの発育障害例がみられる。

 

多因子性先天性奇形の発現は、遺伝的な欠陥の存在と、欠陥の発現を誘発する環境因子の作用に関連する。

 

セシウムは、親の世代では内在し、形質発現しなかった遺伝的な欠陥を子供の代で形質発現させる誘発因子として働くことがある。(この場合、セシウムの体内取り込み量は多くなくとも胎児に異常が発現する)

 

母親と胎児の間の調節関係には、免疫系、内分泌系、神経系などの調節系の関与、生合成の適正な速度の維持、表現形質の発現に必要な胎児組織の分化があるが、ゲノムの欠陥とセシウムの作用は調整関係を壊す。

 

心臓、中枢神経系、硬口蓋、外性器は、解剖学的に複雑に構成されている器官で、原則として長い奇形形成の臨界期を持つ。

 

セシウムの奇形形成への関与は胎児の骨格コツの形成で特に明瞭に見られ、骨の低形成を引き起こす。

 

セシウムにより、胚子と胎児の死亡が起きる可能性がある。

 

母親の内分泌系がセシウムによって悪影響を受けると、子宮内発育の初期の段階で、卵巣ホルモンの産生が異常になり、結果、胚の着床に対する子宮粘膜の受け入れ態勢が整わない事態が生じる。

 

放射性物質が、卵子、受精卵-接合子、分割胚―桑実胚、胞胚に入り込むと、後になって発育中の胎児の組織に深刻な病変が生じる可能性がある。

 

遺伝的な欠陥と内分泌状態の逆転の併存は、非常に頻繁に見られる。

 

セシウムが体に取り込まれると、その影響で子供の親の世代の女性と男性の両方の生殖細胞のゲノムに欠陥が生じることは疑いようがない。

 

またセシウムが胎児期に影響すると、その病理作用が出生後の子供に現れる可能性がある。胎児期や出生後の段階でセシウムが作用すると、様々な臓器、特に免疫系、内分泌系、神経系、心臓、肝臓、腎臓の高度に分化した細胞が損傷を受ける。

 

授乳期間中、母親は大量の放射性セシウムを母乳中に排出するため、母乳を子供に与えることは容認できない。(ベラルーシでは100Bq/kgの牛乳が許されている)

 

内分泌系と免疫機能が低下した状態で起きる病気はたいていの場合、感染症である。(だが感染症によって、真の病因であるセシウムの作用が隠されてしまう)こういう場合、放射分析検査が必要である。

 

年長の子供の死亡例の臓器にもセシウムの蓄積が認められ、甲状腺、副腎、すい臓、心筋に高濃度で集積する特徴がある。組織学的な検査でも、甲状腺、、副腎、すい臓、心筋が障害されていた。

 

胎児と新生児では、障害された重要臓器の細胞の変性と変性壊死はたいていの病変部位で生命維持が不可能なほどであった。

 

免疫系の障害により、結核、ウィルス性肝炎、慢性肝炎の急性憎悪、。中毒性の肝変性、肝硬変症、肝臓の慢性変性による肝性脳症や肝不全が増え、一般的に見られるようになった。

 

腎臓はセシウムを体外に排泄する器官の一つなので、セシウム濃度が高いことは偶然ではない。大人だけでなく、子供でも、糸球体装置と尿細管を障害する病理過程が進行する。

 

また、血管の病変が糸球体に壊死性病変を引き起こし、腎不全の原因となっているが、ほとんどの場合、潜伏性で症状が表に現れない。セシウムの影響により、尿毒症になるが、臨床医には突然発症したかのように見える。

 

ベラルーシでは最近、腎臓に腫瘍性病変がある人の数が増えている。


心筋細胞の細胞質にセシウム137が入り込むと、それにともない心筋細胞ではエネルギーの産出が不足し、タンパク同化作用が低下する主な原因となり、特に心筋繊維の収縮に関与するたんぱく質の生合成を低下させる。

すると、身体的なストレス、神経精神医学的影響、毒物の影響などどのようなストレスを受けても、心臓と全身血管系の活動の異常が起きてくる可能性があり、その例が拡張型心筋症である。
 
放射性セシウムは低濃度であっても刺激伝導系を通る電気パルスの伝導障害を引き起こす可能性がある。

 
細胞内遺伝装置の活動の調節(刺激)系の機能を阻害する外部環境要因は、多くの病気を引き起こす誘発因子となるだろう。

子供の内分泌異常の原因となるものに、子宮内の発育期間と発育期におけるセシウムの影響があり、副腎の低形成とホルモンの産出不全が見られる。

上記ホルモンの産出不全には、コルチゾール、すい臓、生殖腺、そして甲状腺について同じことがいえる。

セシウム137とヨウ素131の相乗効果で西ヨーロッパでは甲状腺がんと自己免疫性甲状腺炎の罹患率が高くなった。(セシウムの役割もヨウ素に劣らない)

セシウム137は、甲状腺の細胞のエネルギー産出をむしばみ、細胞死をもたらすだけでなく、細胞の修復と細胞内の修復を傷害し、細胞の分化も妨げる。さらに細胞の構成成分が免疫系に対して抗原となることを促進する。

甲状腺に対する放射性セシウムの影響は、組織の活動に対する免疫調節の異常という観点からだけでなく、甲状腺の細胞の構成要素に対する損傷も考慮する必要性あり

短寿命のヨウ素131の崩壊は、エネルギー放出に伴い細胞内の遺伝装置の構造を破壊し、前述の病理過程が比較的急速に進行する。

子宮内でセシウム137の影響を受けると、子供に免疫不全が起きてくることは臨床的にも実験的にも確認されている。

子供の免疫不全が潜在性の状態にとどまっている場合には、アレルギー性疾患や感染症が高い頻度で発症してくる。

出生後の発育期にセシウムが免疫産出器官に入り込むと、慢性の免疫不全状態になる。この慢性免疫不全は、主要性疾患と感染症が発病する一つの原因となったり、子供のリンパ系と造血系組織のがんが増加する原因になったりする。

神経系はセシウムの影響で傷つけられる。対立遺伝子の欠如などの遺伝的な素因があると、中枢神経系の奇形が起きることは、動物でも人での実験でもわかっている。

中枢神経系の奇形は多因子性グループに属し、外脳症、頭蓋脳ヘルニアのような奇形がもっとも頻繁にみられる。

セシウムの影響は、胎児期および発育期に細胞内修復機能にたけた活発な神経細胞を傷つけ、神経系に特有な構造を形成することを阻害する。

出生後にセシウムが入ると、神経系の細胞では生理活性をもつ物質の代謝が徹底的に阻害される。

中枢神経系の悪性疾患がどんどん増加しているのは、放射性セシウムが中枢神経系の組織に大量に入り込むことが原因となっている。

1992年から2001年にかけて、脳腫瘍はリンパ系組織や造血系組織の悪性新生物とともに、ベラルーシの子供たちの腫瘍性疾患の構成の中で、主要な位置を占めてきた。

以上のことから、セシウム137については、以下のように考えるべきである。

1.体細胞の突然変異の原因であり、悪性新生物増加の主要な原因の一つ
2.生殖細胞の突然変異の原因であり、次世代の出生前、出生後の病理変化の基盤になる。
3.重要臓器の細胞内エネルギー産出過程を阻害し、20-30Bq/kgでは、生殖細胞に突然変異を起こし、先天性奇形や子供の不整脈などの病気の発症に関与する。
4.50Bq/kg以上では、エネルギー産出破壊にともなう変性壊死が進行、拡張型心筋症などの原因となる。

チェルノブイリの被災者の多くの病気の罹患率上昇の根本的原因はこの中にあるだろう。

第二部 チェルノブイリ原発事故で被災したウクライナ住民の生殖に関する健康状態

ウクライナでは86年から95年までの間に自主的に16万人が移住

2011年初頭、義務的移住区域(ゾーンII)のジトミール州には、まだ532家族が残り、そのうち113家族には14歳以下の子供がいる。ゾーンIにも150人の自責定住者たちが住む。

チェルノブイリ事故後、人々の生殖損失(妊娠100あたりの自然流産数、医療上の必要性からの人工妊娠中絶数、死産数と生後6日以内の子供の死亡数)が、絶え間なく上昇した。

1987年には3.5%以下だったのが、1994年には郡によって異なるが、9.4~25%に達した。

生殖損失のうち85%以上が自然流産だった。自然流産のウクライナ総人口における頻度は、5~25%に達している。

ただし早期の流産は全妊娠例の8%で起きているのだが、多くの場合、妊婦本人にもきづかれない。

1983~85年の生殖損失率は、2000年には汚染地帯で2.4倍、非汚染地帯で1.5倍。

放射能汚染された地域に住み、累積染料が高い女性は、非汚染地域の女性と比べ、自然流産の危険性が高いことは確認されている。

1987年以降、後期妊娠中毒症(1.5~2.3倍)と妊娠性貧血(10.0~13.8倍)の発症率が年々上昇し、分娩時合併症も上昇。

汚染郡では死産の発生率が2.1倍に。

自然流産の主な原因の一つは先天性奇形

ウクライナとベラルーシの科学者たちの研究によって、先天性異常、発育血管、生殖損失の数が増加したことが示された。しかし、UNSCEARは2000年、先天性障害は増えてないと結論













 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1 件のコメント:

  1. セシウム内部被曝実験の論文を紹介しているところがありました。
    http://matome.naver.jp/odai/2136912208370552101

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